武蔵テレビ(MTV)10周年

2006年、学生たちが「今度はラジオ(コミュニティーFM)じゃなくてテレビがしたい」と言い始めてサポートをしはじめた。このような出発なので、サポートする教員は私ひとりだけ、予算はゼロという状態だった。いろんなものを手作りし、オープンキャンパス当日の昼食も自前だった。すぐそばでは大学のアルバイトとして多くの学生たちが来場者の案内などをしていたが、時給も昼食も付いていた。オープンキャンパスを活気づけ、フォーマルな情報とは少し異なる学生目線のテレビ生放送は、来場者の注目を集めた。

せめておそろいのTシャツや当日の弁当ぐらい、何とかしてやろうと、空き箱に「武蔵テレビ活動学生へのカンパ」と書いて教授室に置いた。10日ほどで紙幣を含む心のこもった応援のお金が入っていたが、それでも金額にすれば数千円で、30名にものぼる活動学生たちの弁当代にもならない額であった。

そこで、当時の学長に直談判し、何とかオープンキャンパスのアルバイト学生と同じ弁当とTシャツの製作代は確保した。

その後、正課の延長線上で教員のサポートと少額ながら予算を持つ学部の正式プロジェクトとして認定し、推進していくことにした。このようないきさつから始まった武蔵テレビも開始から10年も経った。一時、学部長職のため担当を離れた時期もあったが、ずっと見守ってきている。みんな社会人となり多様な仕事に就いているようだが、この活動のことは忘れられないようだった。 [2016.12.10]